夏の終わりに

夏の終わりに

エントリー投稿日:2016/08/29
今年の夏は本当に暑かったですが、皆さんは元気に過ごされていますか。
学校生活で一番長い夏休みもあとわずかとなりました。
当然宿題は終わっていると思いますが、まだ終わっていない人は全力で取りかかりましょう!

皆さんは8月は何をして過ごされましたか。
きっと普段はできないことをしたり、行けない場所に行ったり、会えない人に会ったりされたと思います。

以前にも書かせていただきましたが、8月8日生まれの私にとって8月は特別なものです。
小学校に上がる前から大学に進学するまで、8月は徳島県名西郡神山町にある祖父母の家で過ごすのが習慣でした。
神山町は最近でこそIT企業やアートを使った町興しで有名になりましたが、私が小学生の頃はどマイナーな田舎オブ田舎でした。
かつて祖父母が住んでいた築100年を超える家は、喜来谷(きらいだに)というさらに奥に引っ込んだ集落の山の斜面に今も建っています。
祖父の話では嘉永(かえい)という江戸時代の元号のときに建てられたそうです。
周囲には山と坂しかなく、外界から隔離されたような場所で祖父母と私の3人で8月を過ごしました。

なぜそんな寂しい場所で毎年夏休みの大半を過ごしていたかというと、祖父母と山の家が好きだったからです。
周囲360度すべて山に囲まれた環境で、口やかましい母親もいないとなると、当然夏は蝉の声しか聞こえません。
松尾芭蕉の有名な一句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」をイメージしていただけるでしょうか。
学校では落ち着きのなかった私も、祖父母の家では何かにものすごく集中することができました。
他にやることもないので、宿題や読書はとても捗りました。

そんな祖父母の家で楽しみだったことが3つありました。
1つ目はお使いです。
最寄の商店までは3km以上に及ぶアップダウンの激しい道のりに加え、板をおいただけの橋があり、子どもにはかなり厳しいものがありましたが、ちょっとした冒険気分を味わうことができました。
2つ目は風呂焚きです。
五右衛門風呂なので、17時くらいから薪に火をつけてガンガンくべます。
薪に火をつけるのはなかなか難しいのですが、祖父があっという間に火を熾すのをそばでみているのが好きでした。
3つ目は花火です。
主に打ち上げ系の花火をやるのですが、谷に向かって打ち込むので音がすごく反響します。
ロケット花火が炸裂したときの音は最高でした。

逆に祖父母の家で毎年恐怖だったのが、夜中に行くトイレでした。
山の斜面なので当然ぼっとん便所です。(わかりますか?)
夏はテレビでも心霊特集や怪談特集が多く、その後に行くトイレほど怖いものはありませんでした。
心理的な恐怖に加え、巨大な蜘蛛やムカデ、マムシといった物理的な恐怖もありました。

そのような毎日を繰り返しているうちに、夏の終わりはやってきます。
9月からは学校という日常に引き戻される辛さ、祖父母としばらく会えない寂しさが相重なり、夏の終わりはすごくセンチメンタルな気分になりました。

だから夏休みが終わろうとしている皆さんのお気持ちはよくわかります。
しかし新学期が始まれば忙しい日々が始まり、気がつけば冬休みがやってきます。
休みを楽しめるのは、毎日がんばっているからこそです。

受験生の方はこれからが大変な時期ですが、入試までがんばりきることができれば、最高の春休みが待っていますよ!
まだまだ暑い日が続きますが、暑さ寒さも彼岸まで。
とりあえず課題考査に向けてがんばりましょう!

大津校 山下

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